気を付けたい時効援用のよくある失敗例

気を付けたい時効援用をするときによくある失敗例

一定の条件の下、時効援用を行うと、今後借金を支払わなくてよくなることになります。

ただ、時効援用が認められると安易に考えて時効援用を行い、失敗される方も少なくありません。また、知らず知らずのうちに本当であれば時効援用を行えたのに、時効援用を行えない状況になってしまっている方もいらっしゃいます。

そこで、時効援用を行いたいと考えている方、時効完成の可能性がある方、に気を付けてほしい点を失敗例とともに紹介したいと思います。

失敗例① 裁判所から届いた書類を無視して対応しなかった。

時効の援用をしたが、認められないという連絡がサラ金業者からあった、といって相談に来られた方の事例です。

私が相談者の方から聞き取りをして確認すると、支払いを全く行わなくなって約8年たっていました。サラ金業者の場合、最後の返済から5年たっていれば、時効の援用が認められます。そこで、さらに詳しく相談者の方から事情を聴くと、連絡のあったサラ金業者が訴訟をして判決が確定したのだから時効でないと話をしているとのことでした。

ここが落とし穴でした。訴訟を提起されて判決が確定してしまうと時効の期間が10年に伸びてしまいます。しかも判決確定後から10年です。そうなってしまうと、相談者の方の時効の援用が認められないのは当然です。

裁判所から書類が何か届いた際は十分注意しましょう。

失敗例② 時効援用権喪失にあたる場合

相談者は、サラ金業者から訴えられてしまった、どうしたらよいだろうかと相談に来られた方でした。

訴状の内容を確認すると、支払わなくなって5年間たっていましたが、5年たった後に督促をうけ、相談者が何度か少額ですが支払いをしていました。その後、また支払わなくなったため訴えられてしまったようでした。

時効の期間を経過していたので、その後に時効援用を行っていれば、借金を支払わなくてよかったはずでした。しかし、時効期間を経過していても時効援用を行う前に、支払いをしてしまうと、時効援用はできないとされています(最判昭41年4月20日判決)。これを時効援用権の喪失といいます。時効援用権の喪失を詳しく説明すると、消滅時効完成後に、債務者が債権者に債務の承認などをした場合には、時効が完成していたことを知らなくても、その時効援用ができなくなるというものです。

そのため、この事例では時効完成後の支払いが債務の承認にあたってしまい、時効援用ができない事案となってしまいました。結局、この方は自己破産を検討する他なくなってしまいました。

一定の長期間支払いをしていなかった方は、消滅時効が完成している可能性があります。ですので、そのような場合に支払いをする際は時効援用ができなくなるかもしれないということを考えておいたほうがいいでしょう。

このように、事実の把握を十分に行わずに時効援用を行っても時効援用が認められないことがあります。まずは、時効援用が認められる場合かを確認するためにも弁護士に相談されることをおすすめします。

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