佐賀県 武雄市 在住
70代 女性
借金 約250万円
借入 7社
彼女にはもともと借金はありませんでした。
ですが、ある日ご主人が亡くなりました。
ご主人が亡くなった時、多額の借金があることが判明しました。
1000万円以上でした。
彼女は多額の借金を背負うことになるのであれば、相続放棄をするべきではないかと悩みましたが、相続放棄をせず、借金を返済していくことを決断しました。
同居していた娘さんにも協力してもらいながらなんとか返済を続けることにしました。
ですが、娘さんが結婚することになり、家を出ることになりました。
娘さんの協力がなくなると返済が大変です。
しかし、彼女はお嫁に行く、娘さんに援助してもらうのは申し訳ないと思い、一人で全て支払う決心をしました。
長期間にわたり、返済を続けたことで、ご主人から引き継いだ借金はだいぶ減りました。
ですが、ある日彼女は体調を崩し、仕事を辞めることになり、返済ができなくなってしまいました。
彼女は娘さんに今後の借金の返済について相談したところ、娘さんも借金の返済を手伝う余裕がないとのことで、弁護士に相談して、自己破産について聞いてみようということになりました。
彼女は、自己破産について相談したいということでしたが、長年にわたり借金返済を頑張ってきたという気持ちから、なるべくなら自己破産はしたくない、と考えているようでした。
ですが、彼女には年金以外安定した収入はありませんでした。
そして、年金だけでは借金の返済までする余裕はありません。
また、高齢でしたから、今後働きに出て、安定した収入を得る見込みもありません。
そのため、支払うことができない以上、自己破産の申立てですすめるしかないだろうと相談の際にお話をさせてもらい、自己破産ですすめていくことを決心してもらいました。
今回の借金の原因はご主人から引き継いだものと、借金返済のための借り入れでしたので、借金の原因に大きな問題がある事案ではありませんでした。
そのため手続としても同時廃止事件として処理してもらえる可能性が高い案件でした。
実際に、自己破産の申立後、すみやかに同時廃止事件としてすすめていただくことができ、最終的に免責まで認めてもらうことができました。
家族が亡くなった場合に相続について考えなければなりません。
相続されるのはプラスの財産だけでなく、マイナスの財産も相続されます。
相続が発生した場合で、マイナスの財産の方が多い場合は、相続放棄を検討することも重要です。
今回の方も、相続放棄をしていれば、借金を相続することがなかったでしょうから、自己破産をしなくてよかったかもしれないですね。
家族が亡くなった時は、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産にも十分注意してください。
※中高年世代は40代~50代、シニア世代は60代以上です