佐賀県 有田町
70代 男性
借 金 約340万
借 入 4社
約30年前、離婚することになり、急きょ、生活に必要な電化製品を一式そろえなければなりませんでした。ただ、貯金がなかったため、消費者金融で借入をし、電化製品の購入に充てることとしました。
少しずつではありましたが、返済を行うことができていました。
しかし、通勤中、バイク事故に遭い、長期の通院治療が必要となってしまいました。ケガの治療のために通院しなければならず、仕事に行くことが難しくなってしまいました。仕事先からは、長期間、仕事できないのであれば、辞めてほしい、と言われ、やむなく退職することとしました。
退職後、しばらくは失業保険で生活していましたが、再就職先がみつからず、家賃も支払うことができなくなってしまいました。そのため、家も出て行くことになり、知人の家を転々とし、ついにはホームレスとなってしまい、公園など屋根のあるところで寝泊まりするようになってしまいました。当然、借金の返済はできませんでした。
そのような生活を数年間、続けていたところ、行方不明の彼を親族が見つけてくれて、住む場所を準備してくれました。そして、借金をきれいにして、年金で生活していけるよう自己破産をするように説得され、親族の紹介で当事務所に自己破産を依頼したいとお越しになりました。
彼は自己破産をお願いしたいと、お越しになりました。ですが、数年間ホームレス生活をしていて借金の支払をしていなかった、ということでしたので、時効の可能性がありました。借金がすべて時効の状態であれば、借金を消滅させることができるので、自己破産をしなくともよくなります。そこで、まずは時効であるかを確認し、時効ではなく、借金が残る状況であれば自己破産で進めていくという方針で進めていくこととしました。
まず、各借入先から、依頼者の取引履歴を取り寄せ、支払い状況を確認しました。
そうしたところ、一部の借金については時効の状態であったため、時効の援用を行い、借金を消滅させました。しかし、時効でなかった借入先については借金が残ってしまいました。しかも、利息で借金額が膨らんでしまっており、年金ではその借金を支払っていくことができる状況ではありませんでした。そのため、残りの借金については自己破産の申し立てを行うしかありませんでした。自己破産の申立てを行った結果、残りの借金については免責を認めてもらうことができ、借金をすべてきれいにすることができました。
この方は、ホームレスの状態から、親族の支えで、住む家を確保し、時効と自己破産で借金をきれいにし、年金で生活ができる状況まで立ち直ることができました。
どのような状況であっても、何か方法はあります。親族の手を借りたり、福祉、行政の手を借りたり、我々のような弁護士の手を借りたり、方法は様々です。
同じように苦しんでいる方、立ち直るためにも、誰でもよいので、まずは、誰かに相談してみてください。
※中高年世代は40代~50代、シニア世代は60代以上です