長崎県 東彼杵郡 在住
50代 男性
借 金 約730万
借 入 12社
彼は、収入を増やしていくためにはスキルアップが必要と考え、研修会やセミナーに参加したいと思っていました。しかし、研修会などの費用を生活費の中から捻出することが難しかったため、20万円ほど借金をしてしまいました。これが最初の借金でした。
その後、借金を返済できていましたが、子供が成長していくにつれ、生活費が増え、月によって借金を返済できない月が出てくるようになりました。それでも、生活費を削ってなんとか支払いを行っていました。
しばらくして、会社との関係が悪くなってしまうような出来事がありました。ちょうどその時に他社から転職の誘いがあり、元の会社より条件がよかったため、会社を辞めることにしました。しかし、会社を辞めた後、転職予定の会社から急に転職の話はなかったことにしてほしい、と告げられました。なんとか就職させてほしいと頼みましたが、結局転職はできず、無職となってしまいました。次の就職先を探しましたが、なかなか見つかりませんでした。
収入がないので、生活費、借金の返済のために、さらに借入をしなければなりませんでした。借金がどんどん増えて行きました。
その後、なんとか再就職できましたが、収入が以前より減ってしまいました。とても借金を支払っていくことが難しい状況です。そこで、借金をどうにかしなければと、借金問題を解決するために当事務所に相談に来られました。
借金の解決方法として個人再生や自己破産を説明させてもらったところ、本人はなるべく支払っていきたいと個人再生を希望されました。住宅はありませんでしたが、財産があったことも個人再生を希望する理由の一つです。ところが、個人再生後に支払っていく必要がある金額を算出すると、支払っていくことができるかぎりぎりの状況でした。
そこで、私から、住宅があるわけでもないので、個人再生よりも自己破産の方が今後の再生のためにはよいのではないかと話をさせてもらいました。しかし、本人があくまで個人再生を望んでいたので、個人再生で依頼を受けることとなりました。
個人再生の準備をしていく中で、彼の奥様にも借金があることが判明しました。生活費から奥様の借金の返済もしなければなりません。個人再生が成功しても、今後、個人再生で決められた金額を支払っていける状況ではないことが判明しました。
そこで、再度、本人と奥様とお越しいただき、話をさせてもらいました。個人再生が成功しても、その後の生活が成り立たない可能性があること、自己破産が認められれば、支払いがなくなるため、奥様の借金の支払いに専念できることなどです。ご夫妻は私の話を聞いて、立ち直るために自己破産で進めることを決意してくれました。
個人再生から自己破産に切り替え、準備を改めて行い、自己破産の申し立てをしました。彼には財産があったため、管財事件にはなりましたが、無事免責まで認めてもらえることができました。
個人再生で進めていく方がよい場合は、ご自身に財産がある場合、特に不動産がある場合で、住宅を残したい場合です。そのような場合は個人再生を検討します。しかし、状況によっては自己破産を選択せざるを得ない場合もあります。なぜなら、個人再生をしても、結局支払っていくことができなければ、何の解決にもならないからです。
個人再生で進めるか、自己破産で進めるか、弁護士と相談しながら、じっくり検討するようにしてください。
※中高年世代は40代~50代、シニア世代は60代以上です