佐賀県鹿島市在住
60代 男性
借金約520万円
借入11社
彼が自己破産をする他ない状況に陥ってしまった原因はマルチ商法にひっかかってしまったことにあります。
彼は奥さんと二人で生活していました。
彼には借金がありましたが、借金は住宅ローンだけで返済することができていました。
しかし、長年生活していく中で、奥さんの体調がよくないことが多くなってきました。そこで、彼は奥さんの体調が少しでもよくなればと健康食品を買うようになりました。
毎月の健康食品の代金が負担になっていき、生活が苦しくなっていきました。その時に、友人から誘われ、少しでも稼ぐことができて生活が楽になればとマルチ商法に手を出してしまいました。マルチ商法では商品を購入する必要があり、どうしても足りない分を借り入れに頼ってしまいました。
その後も、借金をしてしまっている以上、後に引くことはできず、次々と商品を購入してしまい、その度に借金をしてしまいました。
そして、ついには支払うことができない状況になってしまい、自己破産しかないと考え当事務所に相談をしようと決意されました。
話を聞かせてもらったところ、やはり支払いを行える状況ではありませんでした。
しかし、彼には住宅ローンを返済中の不動産があります。
自己破産をしてしまえば、それも失ってしまいます。
そこで、個人再生によって住宅を残す方法を検討しました。ところが、彼は自己破産の相談にお越しになったとき、無職で、病院に通院中であったため、しばらくは仕事を行える状況ではりませんでした。
個人再生が認められるためには安定した収入を得られる状況であることが必要ですが、彼はそのような状況ではなかったのです。そのため個人再生を行うことは難しい状況でした。
彼自身住宅ローンの返済は厳しいと話をしており、住宅がなくなることもしょうがないと自己破産を希望されました。
そこで、個人再生ではなく、自己破産ですすめていくことになりました。
自己破産の申立てを行うと彼には不動産があったため、管財事件になりました。
また、マルチ商法に手を出していた点も問題でした。
しかし、マルチ商法については騙されるような形で始めてしまったという経緯があり、今後二度とマルチ商法には手を出さないと約束してくれましたので、無事免責まで認めてもらえることができました。
マルチ商法に誘われて、本当に儲かるかもしれないと考えてしまう方がいらっしゃいますが、当然そんなに甘くはありません。
最初に商品を購入するために借金をしてしまい、そのまま家族にも話すことができず、借金を重ねてしまい、どうにもならなくなって自己破産という方は今までにもいらっしゃいました。
マルチ商法など、簡単に儲かるというような話を持ちかけられた場合は一度家族や友人、弁護士などに相談した方がいいでしょう。
※中高年世代は40代~50代、シニア世代は60代以上です